第55話

ホテルのロビーには、flatが大集合していた。


「菜穂っ」


私たちに気づき玲央が小さく手を上げる所に小走りで向かう。


「何あのメッセ」


「私じゃなくて、亜夢!」


亜夢は「えへへ。すみませんー」と笑って謝る。


「あ、初めまして!菜穂の友達の櫻井亜夢です。よろしくお願いします!この事は口外しないので安心してください」


「よろしく~」


亜夢はすぐに泉くんと碧くんと仲良くなっていた。


「えっと…初めまして。花咲菜穂です…

よろしくお願いします」


私はまだ話したことのなかった2人に話しかける。


「よろしくね、菜穂ちゃん。

flatの真琴です」


物腰柔らかいリアル王子様のような人だ…。


隣を見ると、ふんっと横むく人。


「ほら、隼人っ」


「リーダーの隼人」


なんか、この人…

昔のツンケンした私みたい。


「ごめんね、菜穂ちゃん。

この人これが普通だから」


「いえっ、大丈夫です」


真琴さんに心配されたけど、こういう人苦手じゃない。


「菜穂、今日この後皆で出かけない?

大勢だったら怪しまれないだろ」


「う、うん」


こないだのアイドルなんだからって言葉は気にしてたのかな?

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