第50話

「まぁ、良いじゃない。

俺と隼人はロケ以来彼女に会ってないんだし。

どういう子か見てるのも」


真琴は俺と隼人の間に来てその場を和ませる。


「どうも中途半端な気持ちじゃないみたいだしね」


「ふんっ」


隼人はズカズカとレッスン室に行く。


「隼人も恋愛を反対してる訳じゃないんだよ。

玲央の事を心配しているんだよ」


「心配って…」


「隼人も高校生の頃、付き合っていた彼女がいたんだけど…flatがやっと出てこれた頃、事務所にバレて別れさせられたんだよね」


「えっ?俺、知らなかった…」


「まぁ、俺以外には隠してたし、玲央は超自己中の王様だったからねー周りの事とか気にしてなかったでしょ」


グサグサと何かが刺さったけど、気にせず話を聞く。


「隼人はリーダーだからね。誰よりもメンバーを大切にしてる」


「……」


ただ真琴の話を黙って聞く。


「彼女はいい子だったんだけどね。

でも、彼女の周りはいい人じゃなかったんだよ。

彼女はモデルをしていて、隼人とも現場で出会ってやっと表紙を飾れるぐらいになってきた時に、

隼人と付き合っていることが他のモデル仲間にバレて、うちの事務所にも写真を送ったり彼女に対しての嫌がされが凄かったらしい…」

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