第51話

「隼人は、俺の心配と菜穂の事を心配してくれてるってことか?」


「そういう事だね。

でも、菜穂ちゃん強そうだし大丈夫な気もするけど」


クスッと笑いながら、「だってわがままな玲央にあんな初対面でお説教するぐらいだし」


「まぁ、そうだけど」


これ一生言われるんだろうな。



=====


7月に入り、下旬。

一足先に映画のロケの為に1人先に沖縄に行く。


「工藤玲央くん入ります」


「よろしくお願いします」


「よろしくー」


スタッフに挨拶をしてスタンバイすると、


「れ・お・きゅーん!」


俺に抱きついてくる奴。


「百崎…!」


映画のヒロインを演じる、今1番若手で伸びてきている女優だ。


「だから、アヤメって呼んでってば!」


百崎の顔の前に手を出してストップさせる。


「俺、興味のある女以外は名前で呼ばないから」


「何それ!じゃあ、玲央くんが好きになった人は名前で呼んでるってこと?わかりやすいねー」


「うっせーな。ほら、監督が呼んでる」


百崎にイラつきながらも、監督のところに行く。


「ふーん」


ニヤッと笑った百崎に気づくことなく。

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