第37話

亜夢に工藤くんの名前は伏せてこれまでの事を話す。


「えぇー!?

何それ!少女漫画みたい!!

それを元にして漫画描いていい??」


「いいけど…」


亜夢は漫画家を目指している為、さっきのうるうると違って今度は目がキラキラしてる。


「芸能人が誰なのか気になるけど、

そんな事あるんだねー」


「うん、本当にこんな事あるんだなーとか、

世間は狭いなーとか思ったよ」


「それで、菜穂ちんはその芸能人さんのこと好きなの?」


「えっ?」


-好き??


「違う…と思う。まだ…」


「まだ?」


「竜ちゃんの事もあるから、こうすぐに吹っ切って次の恋ーとかじゃなくて。

なんというか、友達から1歩前進した感じ?

向こうも私にその歩幅を合わせてくれてるから」


亜夢が私の頬を突く。


「誰だよーその一途な芸能人って」


「ごめん、本人に言っていいか確認してからじゃないと言えない…。

亜夢を信用してないとかじゃないんだけど…」


「わかってるよー

そんな夢みたいな出来事だけでも教えてくれてありがとうー菜穂ちん」


亜夢が急に私を抱きしめる。


「わっ!亜夢?」


「もし菜穂ちんが多治先輩に振られたらどう慰めようとか考えてたときあったから、全てをわかって好きでいてくれる人が現れてくれて嬉しいの。

私も菜穂ちん大好きだから」


「亜夢…」

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