苺のように甘酸っぱい

第36話

夏休み前。


世の中の高校生の地獄だ。


「嫌だー!もう勉強したくない!!」


亜夢が自分の席で暴れている。


「仕方ないじゃない。

学生の本分は勉強でしょ?」


ジッと私を見る亜夢。


「何?」


「菜穂ちん最近、何かあった?」


「え?なんで」


「いやーここ最近、多治先輩と一緒にいるところ見てないなーって。

登校も別々じゃんー」


「竜ちゃん、好きな人いるから」


「えっ!?何それ!!やっぱりいたの!?

え、菜穂ちんじゃないの??」


机の上に座って私の手を掴む。


「ちょっと、机…」


「そんな事より!!そっち!!」


「私じゃないよ。会ったもん。

すごーく綺麗な人に」


「へぇー」って言いながら亜夢は椅子に座り直す。


「それにしても、何か違う…

私たち友達でしょ?隠し事はなしだよー!!」


私の腕を掴んで引っ張る。


「あー…えっと」


亜夢を見ると凄く目がうるうるしてる。


「はぁー…

絶対に誰にも言わない!?」


「うんっ!!」


亜夢と教室を離れて階段裏に行く。

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