第20話

テレビ画面に映った彼を見て、思わず持っていたマグカップを落とす。


「熱っ」


「何やってんの?ドジ菜穂」


竜ちゃんは私の所に咄嗟に来て火傷をしてないか見てくれた。


「とにかく冷やして。

マグカップも割れてないみたいで良かったな」


「う、うん…」


私、昨日このアイドルに告白的な事言われたような…。


有り得ない。有り得ないって!

こんな普通の私が!!


「なんか、菜穂凄い色んな顔してるけど、

大丈夫?」


「う、うん!大丈夫!!」


竜ちゃんも私と同じようにテレビを見る。


「flat。菜穂も好きなの?アイドル」


「いや、あの…好きっていうか」


知り合ったというか…。


「あ、私バイト行かなきゃ!

後で家の鍵取りに行くから戸締りお願いね!」


「え、あぁ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る