第3話

学校に着くと3年生だけ校舎別なので、昇降口でいつもバイバイ。


「じゃあな。しっかり勉強しろよ」


私は寂しいのに、竜ちゃんはきっとそんな事ない。


「切な…」


「おっはよー!菜穂ちん」


私に抱き着き頬を突っつく彼女は友達の亜夢。


「おはようー亜夢。頬突っつかないでもらえると嬉しい」


「まーた、多治先輩見てるの?さっさと告白すればいいのにー」


「そんなに簡単な話じゃないんだってば。教室行こう」


「何が簡単な話じゃないの?

だって好きなんでしょ?多治先輩だって菜穂ちんの事大切にしてると思うけど」


「その竜ちゃんの想いと私の想いじゃ違うんだって」


竜ちゃんは私の事妹とか幼馴染にしか思ってない。


「…難しいな。幼馴染って」


「でも幼馴染じゃなかったら、多治先輩とこんな風に話せたりしなかったんじゃないの?」


グサッとナイフのようなものが心に刺さった。


「亜夢って時々、痛いところ平気でついてくるよね。

怖いよ…」


「えっへへー」


でも実際幼馴染って立場じゃなかったら…

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