第4話

「多治君!好きです!!付き合ってください…」


「ごめん。俺、そういうの興味ない」



こうやって私も振られる立場で、ただ見ているだけ。


「何盗み見てんの?菜穂」


「わわっ!!」


突然話しかけられて驚き、持っていたゴミ箱を足の上に落とす。


「いったー」


「ったくドジだなー本当に。

大丈夫か?」


こんな風に話したりも出来ない。


「だって、ごみ当番で捨てに来たら竜ちゃんが告白されてたから…

気まずくなって」


「あー悪い悪い。」


私の代わりにゴミを捨ててくれた。


「三年生になってから更にモテてない?」


「そんな事ないよ。じゃあバイトの時間もあるから行くなー」


手をひらひら振りながら歩いて行ってしまった。


「無自覚王子め」

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