第14話

答えがいつ聞けるか分からないけどその前に、


谷口さんの言葉の意味、だな。





“迷惑”


その時さっきの出来事を思い出した。



ピシャリと周囲の音をかき消すように冷たく言われてしまった。迷惑そうな表情と共に。



はっきり言われちゃったなー。ははっ



突き返された紙をクシャリと握りしめると。




――ガラッ







「…あ、牧野くん」


保健室の扉が開き視線を向けると、部屋に足を踏み入れようとした女が突っ立ていた。


ソイツは目を見開いたかと思うと顔を赤らめた。




「……牧野くんが保健室にいるなんて珍しいね。体調でも悪いの?」



「………」


あーウザ。


顔を赤らめ媚びるような高い声で話しかける全く知らない女を無視し、クシャクシャになった紙をパンツのポケットに入れ、俺は保健室をあとにした。





--牧野 竜雅side end--

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る