第13話
--牧野 竜雅side--
「――――……やっぱりまだ無理か、」
ちょっと先走っちゃったかな。
彼女が出ていった扉を見つめる。
―――なんで、姫になってくれたの
俺はさっきそう、言おうとした。
あれだけ拒んでいたのに、なんで、承諾してくれたのか。
まあ、俺たちがしつこかったからだけど。
でもそれじゃない。
だから聞きたかった。
だけどまだ聞かないでおくことにした。
今じゃない。
今ではない。
もっと後で聞いたほうがいいと思った。
だからあの時出かかった言葉を飲み込んで別の話題にした。
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