第15話

保健室を後にし、廊下を突き進む。



靴下で歩いてるからか足がひんやりする。



一度下駄箱に戻ってあのスリッパを処分しよう。







「――――杵崎」



下駄箱に向かう途中、どこからか聞き覚えのある声が聞こえた。



声がした方へ視線を向けると、下駄箱の向かい側の廊下に谷口慎弥がいた。



『……谷口慎弥、』



「フルネームかよ。慎弥でいい」



『……。』


誰が言うもんか。



無言な私に谷口は呆れた表情で右手を首の後ろにまわした。



「まあいいや。今日、時間あるか…?お前に話がある」



『……何時』



「今日19時に上がる。19時過ぎに学校近くの喫茶店でどうだ」



『…わかった、』



「じゃあ後でな。今日はちゃんと授業受けに来いよ」



そう言って私の横を通り過ぎ去って行った。

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