第7話

『放せ』



「…………」



牧野 竜雅は私の腕を自分に近付けた。



「怪我してる」



さっき画鋲で怪我した指をじっと見る。



指先がヒリヒリと痺れるように痛む。



「結構深いね、保健室行こうか」



『いい』



拒否し腕を振りほどく。






が、。






「ダーメ。このままだと傷が残るよ」



思いの外掴む手の力が強く、振りほどけなかった。



『…チッ、別にいい』



「女子が舌打ちなんてダメ。ほら行くよ」



そう言って腕を掴まれた状態で二人共スリッパも履かず、靴のまま保健室に向かった。









「―――――っっ、」



この時、牧野 竜雅が女子三人組に鋭い視線を向けていたことを私は、知らない。

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