第6話

てかスリッパの足の甲に画鋲付けるか?



どれだけ暇なんだよ。



画鋲を取ろうとスリッパに手を伸ばす。






「―――おはよ、藍ちゃん」



横から聞こえた声に視線を向ける。



――そこには鞄を肩にかけ、笑顔で私を見据える牧野 竜雅がいた。



周りに蒼龍がいない。



『……………』



視線を逸らし、スリッパを掴もうとした瞬間。






ガシッ



突然横から伸びてきた手によって腕を掴まれる。


『…………っ、何するの』



動きを止め、腕を掴んだ牧野 竜雅を鋭く睨む。


突然の行動に内心少し驚いた。

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