第75話

そう思っていると、彼が口を開いた。




「目を覚ました時…陽が最初に言った言葉……、」




そう言って口を閉ざす彼を不思議に思い、見てみる。







――――彼の目は、とても哀しい目をしていた。




そして、彼はこう言った。



「陽はな、目を覚ましてすぐ、“…藍、何処にいる?藍は?なぁ、藍はアイツに何もされてないよな?

なぁ慎弥。藍は無事か…?”


藍藍藍藍…俺が毎日、見舞い行ってはやく目を覚ます事を願ってたのに陽は、目の前の俺に一言もなくずっと、お前のこと心配してたんだよ」





!!!??




その言葉を聞いて驚く。




何で?




ねぇ何でなの??




陽は私のせいであんな目に遭ったんだよ?




下手したら一生目を覚まさなかったかもしれないのに…




ねぇ、なんでそんなに私のことを心配するの?

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