第61話
ピアスから手を放し、空から屋上に視線を移してみんなを見る。
…まだ、みんなは戸惑っているみたいだな。俺も戸惑うけどね。
何処の族でも犯罪者を姫にしないだろう。
勿論、俺達も。
だって俺達正統派だから、周りからいい印象を持っている。しかも、傘下(サンカ)や同盟もいっぱいいる。
もし、姫にしたら…全部崩壊(ホウカイ)する。
それを困っている俺達。
でも、それはそこら辺の女だけ。
藍ちゃんは違う。
さっきも言ったけど、藍ちゃん以外蒼姫にしたくない。
犯罪者でも、人を殺していても、藍ちゃんを絶対に蒼姫にする。
…俺、なんでこんなに藍ちゃんを蒼姫にしたいんだろう……?
そこらの女と違うから?
それもあるけど、違う。
……昨日からずっと自分の体がおかしかった。
急に鼓動(コドウ)が早くなったり、胸が締め付けられたり…
女の前であんな事なるのは初めてだった。
今まで何人もの女を抱いてきたけど、
…こんなのは初めてだった。
そして今日、藍ちゃんに会ってやっと分かった。
あぁ俺…、
藍ちゃんの事が好きなんだ――――
--牧野竜雅side end--
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます