第54話

「ちょっと!新藤先輩たちがこの教室に来るわよ!?」


女子の一人がそう言ったのが聞こえた。


新藤…?


………。


…もしかして、


嫌な予感がし、急いで人混みをかき分け教室の後ろから出ようとした。



「…――おい。どこに行く」


……やっぱり


新藤裕の声が私の隣で聞こえた。


新藤裕が私に話しかけた途端周りはシーンと静かになる。


隣にいる新藤裕を見据えた。その後ろに彼等の姿もみえた。


チッ全員で来るなよ


「…どこに行く気だった」


また同じことを言う新藤裕。


『何処だっていいでしょ。アンタたちに関係ない』


そう言いながら新藤裕を睨みつけた



それを見た周りの皆は顔がサーっと真っ青に。


「っテメェ!まじでいい加減にしろよ!?」



斎藤慧悟はドカドカと歩いてきて私に近づき、胸ぐらを掴もうとした……が、



「慧悟」


新藤裕が止めたので掴んでこなかった。


「も~けいごぉ~、藍ちゃんいじめちゃダメだよ~」


そう言いながら、私達のところに近づいてきた牧野竜雅。近づくと私を見て“おはよー。藍ちゃん☆”と笑顔で言って新藤裕の横に立った。

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