第53話

 生徒の皆が私を見ている。




 ……もしかして昨日の事か?




 そう考えていると昨日話しかけてきた女子たちが近づいてきた。




「あ、あのぉー…杵崎さん」




 オドオドしながら私に話しかけてきた茶髪ロングの彼女。





『…何?』





 てか、名前知ったんだ。そんなどうでもいいことを考えながらキツイ口調で彼女に聞く私。





 私、あんた達と話したくないんだよ。




 そう思いながら彼女を見る。




「…き、昨日さぁ、屋上に行ったよ、ね…?」




 オドオドしながらも私に聞いてくる彼女。




『…行ったけど。』





 私がそう言った直後、クラスがざわつき、彼女たちの態度がガラリと変わった。





「ちょっと!屋上に行っちゃいけないのよ!!」





「あそこは決まった人しか入っちゃいけないの!!」




「一般人は立ち入り禁止なのよ!!!」




 口々にそう言う彼女たち。




 あーうるせぇ。




 私の机を叩きながら大きな声で叫ぶ彼女たち。




 やっぱり女子って怖いねー。昨日はあんなに私と友達になりたがってたのに…笑える。




 やっぱり所詮(ショセン)、上辺だけ。そう思いながら彼女たちの声を無視する。




 無視しても収まらない彼女たちの叫び声にだんだん怒りが増してくる…




『うる、「キャー!!!」』




 うるせぇ。と言おうとしたら女子たちの声に遮られた。





 その声を聞き、私の周りにいた彼女たち…いや、教室にいる皆が廊下側に集まった。




 あーまじうるせぇ。





 そう思いながら、保健室に行こうと席を立った。






 その時だった。









 

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