第5話

痛がるグズを見てニヤリと笑う。


『…逆にそう言われるともっと殴りたくなるんだよなあ』


「っ!!…や、やめろ…っ!!」


それから相手に“やめろ”と言われようが謝られようが無視し男の意識が無くなるまで殴り続けた。




―――目の前にはあっという間に意識を失った男が。


…ほんとに弱かった、期待外れ



顔なんか誰だか分からないくらいになっている。




鼻は折れて曲がり、顔は腫れて誰だかわからない



ていうか、元々会ったときの顔もまともに思い出せない



それを一瞥いちべつしてから意識を失った男の右後ろにいる男を見た。



『次はおまえだ』


どうせコイツも手応えないだろうけど、売ってきたのはアイツらだから最後までやらせてもらうよ。


ニヤリと笑うと同時にこぶしを振り上げた。


「ひっ…!」


情けねえ声を上げて腕を頭に置いてうつむき保身体勢に入った。

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