第88話

「―――はああ。確かに特進に入って欲しかった。でもね、葉月の人生なんだから自分で決めなさい。私は葉月が選んだ道に反対しない。……だってもう、目が覚めたから」


眉を下げて笑うお母さん。


その表情をみて少し前の出来事を思い出した。



『…そっか』


「ほら早く行きなさいっ」


急かすお母さんに笑みを浮かべた。


『…ありがとう。じゃあ、いってきます。あ、洗濯に入ってた赤いシャツ大我のだから乾いたら避けといて。あと今日竜が来るから!』


「はいはい、分かったわ。いってらっしゃい」



笑顔で手を振るお母さんに私も手を振り返し、学校に向かった。

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