第83話

お母さんが乱暴に布団を剥がす。



……さむっ


あまりの寒さに身体を丸めた。


まだ春が始まったばっかりだからか、肌寒い。


「……」


全く起きる気配が無い私にお母さんが痺れを切らした。


スタスタスタ…


お母さんの気配が遠のいた。


起きない私に怒ったんだろう。



そう思った私は甘かった…



ガチャッガラガラ――


ヒュオオオ〜〜〜


背中に伝わる冷たい風


あまりの寒さに目が覚め、ガバッと起き振り返った。


そこには、笑顔で窓を全開に開けて立っているお母さんがいた。


ヒュオオオ〜〜〜


ブルッ


すぐ様床に落ちた布団を拾って被る。


「……やっと起きた。いくら昨日帰ってくるのが遅かったとはいえ、今日も学校でしょ。葉月は朝が弱いから支度するの遅いのよ。だから早く起きなさいね」


そう言ってお母さんは部屋を出ていった。



『………鬼』

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