第77話

それよりも……、



『あれ竜は?』


いつの間にか居なくなってた。


キョロキョロと辺りを見渡す。



「――ここだ」


『うおっびっくりした』


背後からの声に振り向くとそこに竜がいた。


「行くぞ」


腕を引かれソファから離れる。


『え、どこ行くの? 』


尋ねると竜は立ち止まり視線で私の制服を差した。


「制服汚れてるだろ。だから着替え」


あ、そうだ。制服汚れたんだった。


下に視線をやると確かにブレザーとブラウスにシミがいくつもあった。


これは着替えた方がいいかも。


『うん。着替えてくる』


「ああ」


そう言うと捕まれた手が放れ、私は二階の総長部屋に向かった。

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