第75話

「それにしても珍しいよな。族のトップにいる奴が酒呑めねーなんて」


「煙草もな」


大我はソファに深々と身を沈め、口角を上げ私を見ながら放った言葉に壮輔も参戦する。


「そーそー。誰もが憧れるあの“鷹妃”が20歳まで酒を呑まねーって知ったら驚くだろうな」


「それ言うと初めて会った時だろ」


「そーだな。初めて葉月に会ったとき倉庫に女がいることに驚いたな」


「確かに。結構距離置いていたよな俺等」


「うん。少し警戒してたから」


「少しじゃねーよ。テメェは葉月に毎日のように暴言吐いてたろ」



会話に参戦した圭に大我はすぐ様突っこむ。


「う゛っ……」


図星で言葉に詰まった圭は涙目で私を見つめた。

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