第72話

缶ビールに口を付け液体を流し込む。



「!!ば、ばか…っ!」


缶を傾けた途端焦った大我が私から缶ビールとお酒の入ったグラスを奪う。


その拍子にビールがこぼれ私の制服を汚した。



「っ、吐け!」


「はづきお願い!吐いて!」


「ほらここに出せ!」


「「「そ、そうちょーーっ!!」」」


「出せ」


私の行動に皆が騒ぎ出す。


大我は私の背中を叩き、圭は制服の袖を引っ張り、壮輔は袋を広げ私の口元で構え、メンバーのみんなは駆け寄りドタバタと慌て、竜は私に近寄りいつになく焦った表情をしている。


絶対に出さないから!


慌てるみんなを無視して口いっぱいいれたビールを飲み込んだ。


ゴクリ


途端、皆が絶叫した。


『……っにが、』


あまりの苦さと炭酸の強さに眉を寄せ涙目になる。


すぐさまレモンティーで口直しをした。


「はっ、はづきがお酒呑んだーー!!」


ムンクの叫びのように叫ぶ圭。


「「「そ、そうちょーー!!!」」」


2度目の叫び。


「っ、早く病院に連れてかねえと!」


携帯を持つ壮輔。


「おまえっ…!」


ゴツッ


『いたっ 、』


大我は拳で私の頭を殴った。

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