第56話

思いの外反応が面白い。このまま追いかけまわしたらもっといいのがみれるんじゃ…?



楽しい光景が頭に浮かんで口元が緩む。


追いかけて捕まえ、おぶってもらってボールを当てようかな。


絶対楽しいじゃん。 


早速やろうと竜を避けたら腕を捕まれた。


同時に右手にあるボールを取られる。



『…なんで取るのさ返して』


今から楽しい遊びするのにさ。


竜を睨み上げた。


…167ある私でも見上げるくらいの身長の高さ。

 

180越えてる人が近くに来るとやっぱり大きいなと思う。


そんな竜は静かに私を見つめ、ボールを返すことなく変わりに名前を呼んだ。


「……はづき」

 

『ボール返して。今から遊ぶの』


ちょいちょいと手を突きだし返すよう促すと掴んでた右腕を引っ張ってきた。


うわっ


うまく体勢がとれず後ろ倒れそうになる。


だけど反対の手で私の背中を支え胸の中に収めた。


『あ、ありがとう』


すぐさま離れようとしたら背中にあった手が腰に滑り落ちグッと力をいれてきた。


……ん?


『もう大丈夫だから放して』


胸板を叩いて離れようとするも竜は力を緩ませない。


え、ちょっとこいついきなり何すんの。

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