第57話

抜け出すため腕の中でもがいていると竜は私の左耳にかかってる髪をゆっくりとした動作で耳にかけ、そこに口を添えて静かに呟いた。



「……スカートのなか見えそうだったんだよ。…誘ってるのか?俺たちのこと」


『――っ!!ふつうに言えっ!』


竜を突き飛ばして距離をとる。


久しぶりに身の危険を感じた…



そんな竜は口元に手を当て妖艶な微笑みを浮かべてじっと私を見ている


前髪の間から覗く双眼がギラリと光り、その姿に思わず身震いをした。


色気なのか空気なのかわからないけどとりあえず怖いから近づかないでおこう



……てかあれ?


さっきスカートのなか見えそうだったって言ってたよね?


腕を抱いたまま視線を下に向ける。


膝上のスカート……



さっきまでの自分の行動を思い出し…ああだから騒いでたのかと納得した。 


でもちゃんと黒パン履いてるから大丈夫なんだけどな。


とりあえず一応スカートを抑えておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る