第10話

すごい全然わかんない。


本当の髪だ。


「…全然わかんないわ、」


『だよね。さすが高級品』


「ほんとすごいわ…ちゃんと竜くんにお礼言いなさいよ」


『わかってるって』


準備を終えて、自室に行き支度を始めた。


必要なものと携帯を鞄に入れてっと。


忘れないようヘッドボードで充電していた音楽プレイヤーを手に取りブレザーのポケットに入れる。


「やっぱり葉月は何でも似合うわねー」


洗濯を干し終えたお母さんが開けっ放しの扉からうんうんと頷きながら私を見てる。


『ありがと。じゃあもう行くね』


そう言って、ベッドに置いてあるリュックを手に取り部屋を出た。


階段を下りて一階に着くと、上から声がした。



「いってらっしゃーい」


『いってきまーす!』


お母さんの間延びた声に返事をし家を出た。

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