第95話

「何か私も凄く嬉しいー!」


まつりは更にギューッと強く抱きしめる。


「まつりもありがと」


「今まで私が迷惑かけちゃってたし、何か恩返ししたいんだけど…」


「えっ!?全然迷惑とかかけてないよ!!

気にしないでまつり」


まつりは、莉多と自分が勝手に付き合い始めたこと紬の気持ちに気づかなかった事を気にしていたのだ。


「でも…何かない?」


「良いのに…

あ、じゃあ今日の放課後お買い物付き合ってくれないかな?」


「いいけど、何買うの?」


紬のまつりへのお願い事は土曜日のデートに着ていく洋服だった。


前はWデートで偽装恋人状態だったし、その後は制服デートでオシャレをするタイミングが無かった。


「初デートに向けてかー

いいね!任せてよ」

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