第96話

放課後まつりは自分の事のように紬をコーディネートする。


「あの、まつり…これスカート丈短くない?」


「何言ってんの!若いんだしこれぐらい普通だよ!それに、紬可愛いし似合ってるんだから」


鏡の前に立たせてぴったりと隣に来る。


「自分でもこのコーデ可愛いと思わない?」


「洋服は可愛いけど…」


「卑屈にならないの!可愛いの!」


「…ありがと」


何着も試着したが、結局紬が選んだのはスカート丈が少し短いワンピース。


まつりにも激推しされたものだ。


「きっと柊くんも"可愛い"って言ってくれるよ」


「そうかな?」


「だってこのワンピース、紬が着るためだけに用意されてるみたいな物だよ!」


「大げさ」


力説するまつりを見て紬は笑う。


「それで、初デートどこ行くの?」


「えっと…まだ考え中で、私が決めてくれて良いって言ってくれてるんだけど」


「そうなんだ」と言うまつりは、ふと本屋が目に入り足を止める。


「本…!本屋さんに行こうよ、何かあるかも」


グイッとまつりは紬の腕を掴んで、半ば強引に本屋に連れていく。

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