紬の頬に当てていた手を取って、千秋は自分の手を絡む。

「ふぁ！？」

「とりあえず、このまま何処か移動しよう」

千秋は手を繋いだ状態で紬を誘導する。

「ち、千秋くん！さっきまで公園で告白しといてあれなんだけど…一応有名人でしょ？こんな堂々としてていいの？」

「名前で呼んでくれた」

「そっち！？」

「良いんだよ

だってそもそも何処か事務所に所属しているわけじゃないし、母親の手伝いというかモデルが急遽都合つかなくなった時のヘルプみたいなもんだし」

それでもファンがいるのは事実だ。

でも本人が良いと言うなら良いのだろうか？

紬は付き合えて嬉しいと罪悪感が行ったり来たりする。

「就職したらやらないし」

「えっ？このまま芸能界に行くのかと」

「行かないよ

でも、芸能関係の仕事には興味あるからそっちに行くかもしれないけど」

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