第87話

驚いた矢田は千秋の肩を掴む。


「柊くんでも振られることあるんですか?」


「あのさ、俺を何だと思ってるの?」


「何不自由ないイケメン男子…」


「……」


ジッと千秋は矢田を見る。


「なんか、すみません」


「いや、いいけど」


「ん?じゃあ山本って柊くんが片思いしていたことを」


「知ってる

ちなみに告白して前に進めるように背中を押してくれたのも山本さん」


"山本さん"と名前を言った時の顔がとても優しくなったのを矢田は見逃さなかった。


「ふーん…

山本ってお節介焼きですよね」


「それがいい所の1つだと思うけど」


さらに、サラリと紬をフォローする千秋を見て

矢田は確信に変わっていく。


「柊くんって、結局のところ山本を好きだってことですか?」


「…今更悪い?」


「別に、良いと思いますよ


ね、山本」

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