第85話

「何をそんなに気を使ってんの?

答えるつもりないのにずるずるさせている方が良くないと思うけど?」


「…うん」


紬は莉多に正当な事を言われ納得する。


「今度会った時にきちんと返事する」


「お、そうしな」





放課後、授業を終えた千秋は紬に今か学校を出るから駅の改札で待っていて欲しいとメッセージを送りすぐに学校を出る。


いつもと様子が違う紬に会って話がしたいと歩く足が早まる。


「柊くん?」


聞き覚えのある声に振り返ると、立っていたのは今紬を悩ませている元凶の1人矢田だった。


「矢田くん、だっけ?」


「そっか窪高校もこっち方面でしたね」


「あぁ、そうだね

じゃあ俺急いでるから」


適当に返事して去ろうとする千秋の足を邪魔する矢田。


「俺、山本に告白しました

返事はまだもらってないんですけど」

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