第84話
学校の最寄り駅に着くと、改札口を出た紬は矢田と別れる。
「紬、おはよう」
後ろから莉多に声をかけられて驚く。
「り、莉多!?おはよ…
まつりは?」
「今日は風邪で休み
同じ電車だったんだな」
「うん…みたいだね」
挙動不審な紬に莉多は目を細めてじっと見る。
「あのさ、何で矢田と一緒に来てたの?」
「見てたの?」
「まぁ駅ついてからだけど。
話してたから」
「そっかー…」
それ以上何も言わないために紬は、スタスタと歩いていく。それを追いかけるように莉多も走って追いつくと、肩を掴み静止させる。
「紬、何年間一緒にいると思ってんの?」
「だって…」
「話してみ」
紬は結局学校に向かいながら莉多に昨日の出来事を話す。
「ふーん。矢田って本当に前から紬を好きなんだな」
「どういう事?」
「班違ったから俺は直接聞いたわけじゃないんだけど、修学旅行の時に部屋で好きな人言い合ってた時に矢田が紬を好きだって言ってたらしい」
「えっ?そうなの??
そうなんだ…」
紬は疑っていた訳じゃないけど、矢田が本当に昨日のがノリとかその場の勢いでとかじゃなくて前から好きでいてくれた事を知って益々…
「断りずらくなってきた」
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