第83話

「爽やかで優しいとモテるのかはわからないけど。俺はずっと一途に莉多を見てる山本が可愛いなって思ってた」


「かわっ!?え…」


予想外の返事に何て応えていいのか解らずに動揺をする。


「ほら電車来たよ」


グイッと矢田に手を引かれて電車に乗り込む。


「あの…」


「今度さ、2人で何処か行かない?」


「え…凄くグイグイ来るね」


「気持ち伝えたし、さっきも言ったけど動かないで後悔したくないから」


真っ直ぐな矢田の目を見て慌てて逸らす。


「わ、わかったから…直球やめて

心臓に悪い」


「…意識してる?」


顔を隠す紬の目の前に矢田は顔を近づける。


「だからっ!

顔近い!」


手をどかしたら矢田の顔が近すぎて、矢田の左頬を手で押す。


「痛いんですけど」


「ご、ごめん!でも私悪くない」


「え、どっち?謝ってるの?」


紬は誰かに告白されたのは、初めてだし。

こんな風に好意を持たれてグイグイと来られるのも初めてでただ、戸惑う。

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