第81話
「……」
『……』
少しだけ2人は黙る。
『明日、会える?
朝は仕事だから一緒に行けないけど、放課後なら』
「う、うん。大丈夫」
紬も千秋も何処かぎこちなくて、中々電話の切るタイミングもわからない。
『山本さん、本当に大丈夫?』
「大丈夫!何もなかったから」
触れてはいけないのだろうと察した千秋は、それ以上問い詰めることはしなかった。
『じゃあまた明日、連絡する』
「うん…おやすみなさい」
『おやすみ』
電話を切ると紬は、再び力が抜けたようにベッドにうつ伏せで寝る。
「絶対変に思ったよね…
私いつもどうやって話してた?」
翌朝、千秋が朝は行けないとわかっていてもいつも通りの時間に家を出る。
駅に着き電車をホームで待っていると携帯が一瞬震える。
【おはよー。今日も頑張ろう】
千秋からのLINEだった。
直ぐに紬はスタンプと一緒に【おはよう。お仕事頑張ってね】と返す。
そんな風に千秋とのLINEを楽しんでいたら横から声をかけられる。
「おはよう、山本」
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