第79話

「矢田くん、ごめんね!

私歩くの遅くて」


「え?全然!寧ろ俺が今まで周りを見ずに行動してただけだから」


気にするなよ。と矢田は紬に言う。

こくんと頷く紬と矢田は歩くが無言が続く。


「あのさ、山本って…今は柊くんを好きなの?」


「えっ!?」


突然聞かれた反動で驚き持っていた今川焼きのクリームが勢いよく出てくる。


「それも…わかりやすい?」


「まぁ、それもあるけど

あんなカッコイイ人が隣にいてドキドキしない女子はいないっしょ?俺もドキドキしたもん」


「そうなんだ…男子から見てもカッコイイよね」


ふんふんと頷きながら紬は歩く。


「私ね、振られてるの」


「え…」


振られたことを告げられた矢田は申し訳なさそうな顔をする。


「あ、違うよ!

振られたんだけど、でも…可能性が0じゃない限り諦めたくないというか…

諦めが悪いよね」


「何て言われたかはわからないけど

でも、諦めが悪いとは思わないよ


だって、俺も一緒だから」


「どういう事?」


「山本、俺さ…」

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