第69話
「言わない。言ったら…困らせるだけだし
兄貴にも悪いし」
言ってもいいのだろうか、悩んだけども紬はゆっくり静かに口を開く。
「柊くんのお兄さん、柊くんの気持ち知ってるよ」
真っ直ぐ前を見ていた千秋の顔は紬の方を見る。
「なんで解るの?」
「お兄さん、今日から私の高校の教育実習に来てて…朝たまたま会って話した時に聞いたの…
お兄さんも悩んでた。知ってるからこそ柊くんにどう接していいのか、結華さんと付き合ってる自分に罪悪感を感じてる所もあるみたいで、
本当にこのままずっといるの!?」
「それは…」
「柊くんだって、このままじゃダメだってわかってるんだよね。だから、同じ境遇の私の事も気にかけて嘘の恋愛にだって協力してくれたんでしょ?」
スっと紬は千秋に向けて手を伸ばす。
「今度は私が柊くんを助ける番
私は柊くんの優しさにとても助けて貰ったから…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます