第66話
「えっと…
気づいてたんですか?」
紬はこっそり、気まずそうに聞くと春都はコクンと頷く。
「知ってたよ。だって兄弟だから…
でも俺は卑怯なんだよね、気づいていたのに知らないフリして、何も気づいてない結華と交際している」
「ひ、柊くんは結華さんを諦めようとしてて…だけどきっと長く積もった気持ちを何処にやればいいか悩んでる気がします…」
「俺もそう思う。
だけど、俺からこの話をするのは違う気がして…俺も悩んでます」
ははっと渇いた笑いをして、その表情は切なそうで…
「俺も千秋も一人暮らしだから、会うことなくて話せないし…アイツの行動読めないし、だから昨日山本さんみたいな女の子と一緒だった事に驚いた」
「そうですね、確かに読めない所ありますよね…」
「君は千秋が好きなの?」
「はい、とても好きです」
春都は優しく微笑んで頷く。
「いやー、本当に山本さんが千秋の傍にいてくれて良かったよ」
「いえ、私なんて全然何も出来てないし…」
-今日なんで会うのか苦しくて避けて来たとは言えないし
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