第62話

「…今は違うから

だから、もうこの話しないで」


「…わかった」


楽しいデートのはずが、一気に空気が重くなり2人はそのまま映画を見た。


ラブストーリーで感動物のはずなのに内容が全然頭に入ってこず、何で周りの人が今のタイミングで泣いているのか理解できなかった。


「終わった…」


「この後どうする?」


「え?結華さんに連絡するんじゃないの?」


「いや、良いでしょ

適当に理由つけて断るから」


本当は紬はまだ一緒にいたいとか、思ったけど。

でもご飯食べて帰ろうとか言える雰囲気でもなくて…


「帰ろう」と静かに話す。


「…うん、そうしよ」


帰り道も終始無言で、元々お互い話が弾むタイプでもないのでただ一緒にいるだけ。


「山本さん」


「はいっ」


突然無言だった千秋に話しかけられて肩を上げて驚く紬。


「そんなに驚かなくても」


「ごめん…」


「いや、俺こそ今日はごめん

また放課後何処かに行こう」


「うん…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る