第61話

「そうなんですか!おめでとうございます」


「ありがとー!ねね、映画見た後よければお茶しない?えっと…何ちゃん?」


「あ、山本紬です」


「紬ちゃん!私は、山谷結華です

よろしくね」


「は、はい…」


「じゃあ千秋、映画終わったら連絡しなさいよー」


結華は千秋の兄と共に腕を再び組み直してどこかへ行ってしまう。

2人はその姿をただ見ていた。


「す、凄い勢いのある人だね結華さんって」


「…そうだね」


「……」


千秋の目線が何処にあるのか、何を思っているのか紬にはわかった気がした。


「柊くん、映画行こ」


「あっ、うん」


座席についても千秋は少し上の空で紬は、コホンっと咳払いをした。


「…もしかして、柊くんって結華さんの事好きでしょ?」


ごほっと千秋は飲んでいたコーラを吹き出しそうになる。


「えっ!?なんで…」


「見てたらわかるよ」

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