第55話

学校に行く途中で、後ろからまつりに声をかけられて紬は足を止める。


「紬ー!おはよー!!

追いついた」


まつりはそのまま走ってきて紬を抱きしめる。


「柊くんとは?一緒だったんでしょ?」


「うん、一緒だった…

そして流れで告白してフラれた」


「えっ?」


まつりは、すぐに後ろを向いて莉多の存在に気づいて紬の手を引く。


「莉多、ごめん!紬と先に行く」


「え?わかった」


まつりは、そのまま紬の右腕を自分の左腕で組みながら歩く。


「それで…どうなったの?」


「うん、フラれたんだけど…

頑張るって言った」


「ん?え?」


「私、長期戦覚悟してるって。

だって可能性が0じゃないんだったら諦めたくないって言ったら…笑ってた」


「でしょうね」


フラれたのに悲しそうな顔をしていない紬にまつりは安堵する。


「紬、強くなったねっていうか…逞しくなった!」

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