第48話

まつりと別れて、家の近くの公園に行く。

夕方18時過ぎなのもあり、誰もいなくて貸切状態だった。


紬はベンチに腰を下ろすと続いて莉多も座る。


「久しぶりに来たな、この公園」


「うん、昔はよく遊んだよね

ブランコとか鉄棒とかで」


「うん」


「あのね、莉多…

私、莉多の事ずっと好きだった」


「え…」


紬の突然の告白に莉多は、ただ驚く。


「やっぱり気づいてなかったよね」


「ごめん、俺…」


「謝らなくていいの!振られるのわかってたし、だけどねこの事が私と柊くんの関係に繋がるの」


「どういう事?」


紬はまつりに話したのと同じように莉多にも話をする。莉多はただ黙って相槌を打ちながら聞いていた。


「だからね、柊くんが私に優しくしてくれるのはこの事を知っていたからで、莉多が思ってるような人じゃないの!その事を知っていてほしかったの」


「うん、柊さんの事はわかった…

だけど俺超最低じゃね?他人に気づかれる程わかりやすかったのに、紬に好きな人いるの?とか聞いたりして…自分で自分を許せない」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る