第46話

まつりは突然立ち上がって当たりを見渡す。


「ねぇ、何かいい匂いしない?」


「本当だ…香ばしい匂い」


確か何もなかったはずだけど、2人でキョロキョロしていたら屋台が出ていた。


「焼きそばの屋台!」


「そういえば、お腹すいたね」


「飲み物とお菓子しか買ってなかった」


まつりと紬は焼きそばの屋台で買って海岸沿いに再び座って食べる。


「外で食べるの美味しいね」


紬がそう呟くとまつりは、


「2人で一緒に食べてるからだよ!」


と嬉しそうに話す。

その姿を見て改めて、まつりにちゃんと話せて良かったと思う紬なのだ。


「そういえば、柊くんに告白とかしないの?」


「ぶっ…」


まつりの唐突な質問に飲んでいたお茶を吹き出す紬は、全力で首を横に振る。


「まだその…向こうは知ってても私は最近知った人だし…優しいし、カッコイイし、色々スマートなんだけど…まだ告白とかそういうのは…」


「うん、結構好きになってるね」


「冷静に考えてみたら私って単純だよね、少し…いやかなり優しくされてコロッと気になってて」

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