第36話
「……」
千秋は、目線を紬に合わせて自身の手で涙を拭う。
「泣くな」
「ごめん、これは…嬉し泣きというか…
だから」
「嬉し泣き?なら良いか」
ポンポンっと千秋は紬の頭を軽く叩く。その千秋の行動一つ一つに紬はドキドキしてしまう。
「お腹空いたな…友達と合流しないで食べに行かないか?」
「でも…」
一応4人で来ていた手前勝手には良くないよねーと考える紬。断ろうとしていにいたら少し遠くから聞き馴染みのある声が聞こえた。
「あ…」
声の主は、莉多とまつりだった。
あまりにも楽しそうでいい雰囲気の二人の世界を壊していけない気がしていた紬は、携帯のメッセージ画面を出して、まつりと莉多と3人のグループメッセージに送る。
【今日はこのまま柊くんとご飯食べて帰るから、2人でデート楽しんでね!】
「柊くん、ご飯食べて帰ろう」
「え…」
さっき断ろうとしていた紬が一変したから、何かと思う千秋も紬の後ろの方にいる2人を見て察する。
「何食べたい?」
「…お肉の気分」
「それはまた意外だね」
そのまま2人は歩いてお店に向かった。
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