第23話

喫茶店に1時間ほど滞在し、店から紬も千秋は出る。


「今日は来てくれてありがとう」


「ううん、私こそ奢ってもらっちゃって…」


「俺がそうしたかっただけだから」


サラりと返してしまう千秋のその姿はカッコイイ以外に何も無い。


「マスターに何か言われた?」


「えっ!?あ…ううん、特に何も」


「その反応何か言われたやつじゃん」


千秋は面倒くさそうな顔をして頭をかく。


「マスターさん、いい人だね

凄く柊くんを気にしてた」


「マスターは、俺がまだ小さい時からの知り合いだから、俺のこの性格とか色々知ってるから」


「いろいろ…」


紬は千秋が口にした言葉を小さな声で繰り返し、千秋の隣を歩いていた足を止めた。


「どうした?」


千秋は優しい声色で紬に尋ねる。

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