第21話

「クリームソーダ…」


「クリームソーダにする?」


「うん、美味しそう」


紬は久しぶりに見たクリームソーダが美味しそうと思ったのか、目をキラキラさせながら注文をする。


「わかった。ちょっと待ってて」


千秋は歩いて裏に入っていく。

1人残された紬は、再びキョロキョロと見る。


「本当にいい雰囲気…

ピアノまで置いてある!」


「お待たせ。

山本さんピアノ弾けるの?」


クリームソーダをテーブルに置きながら千秋に聞かれて全力で否定する。


「全然だよ!昔、莉多と習わされただけ」


「………」


「だから、全然なのってあれ?」


紬が1人世界に入っていたらいつの間にか横にいた千秋はピアノの前に立つ。


「柊くん、弾けるの!?」


「まぁ、一応…

マスターいい?」


「あぁ」


マスターの返答を聞くとすぐ様千秋はピアノを弾き始め、終わると横に立つ紬は何度も拍手をしていた。


「え?」


「凄いよ!凄い!本当に何でも出来るんだね、柊くんって」

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