第18話

「別にいいよ、山本さんなら

今はちゃんと俺の事見てくれてるでしょ?」


「う、うん」


グイッと千秋は紡の方を見て微笑み、紬は不意打ちの千秋の笑った顔にドキッとして下を向く。


「山本さん、今日の放課後時間ある?」


「大丈夫だけど、何かあるの?」


「着いてからのお楽しみ」


学校の最寄り駅に着き、改札を抜けてから千秋と紬は手を振って離れる。


「紬ー!!」


千秋が離れてすぐ、まつりが紬に抱きつく。


「それで!どういうこと!?何で柊千秋なのー」


「まつり、落ち着いて」


「落ち着いていられないよ!それで本当に好きなの!?」


「すっ!?ちがっ…」


違うって言おうとした紬の言葉は途中で止まる。


— だって、この恋は嘘っこで本当じゃない。

だから私が柊くんを本気で好きになってない


「気になってるって感じで、話してみるとやっぱりいい人だけど好きとはまた違うかもって思ってて」


「そうなんだ…なんでも話してね、私は協力するから」


「ありがとう、まつり」

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