第17話

「そんな事ないよっ」


「俺の母親がファッション誌の編集者でさ、お小遣い稼ぎで1度出たら偶然にも問い合わせが来たりいろいろあって、だから俺が知らない女子に告白されたり声をかけられるのはわかってた事なんだけど…」


「??」


「鬱陶しいと思っちゃうんだよね。


だって結局俺が雑誌に載ったりしてるからって物珍しさでしょ?」


「そうかな…」


「そうだよ」


それから次の停車駅に着くまで会話は1度もなかった。

そんな中、紬は1人で自己嫌悪に陥っていた。


「山本さん?」


「あの、ごめんね」


「何が?」


「モデルをやってる事は知らなかったけど、他校の女の子に告白されるのを見たりして、そうだよね、やっぱりカッコイイよねって思っちゃってた」


吊革に捕まりながら顔を真っ赤にして反省していた。

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