第16話

「えっ!?なんで柊千秋といるの!?」


「え…知り合いなの?」


まつりは携帯のタップを早打ちし、紬に携帯画面を見せる。


「ファッション誌のモデル…?

あ!柊くん」


「そう!たまにしか出ないけど、めちゃくちゃ同世代の女子に人気のモデルさんだよ!

知らないで一緒にいたの?」


紬はコクコクっと何度も頷き、千秋をチラリと見ると明らかに面倒くさそうな顔をしていた。


「柊くん、大丈夫?」


「ん?何が?」


紬が尋ねれば千秋は何事も無かったかのような顔をする。


「…ごめん、まつり

柊くんと一緒に行きたいから2人にしてくれる?」


「えっ?うん、わかった…

お邪魔してごめん」


「ううん、また後でね」


紬は千秋の制服の袖を引っ張って少しまつり達から離れた場所から電車に乗り込む。


「良かったの?あんな風に言っちゃって」


「何となく柊くんが女子に騒がれるの嫌な理由わかった気がしたから」


「やっぱり山本さんはいい人だね」

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