千秋はそのまま紬の隣にくる。

「山本さん、もしかしたら2人のことを考えて早めに来たりするかなって」

紬は、あはっと苦笑いをして千秋を見る。

「やっぱり柊くんは、なんでもお見通しだね」

「山本さんの性格上、気を使ってそうしてそうだなって思っただけ」

「そうなんだけど…でも、私も柊くんに用事あったの！」

「俺に？」

コクコクっと紬は何度も頷き、その姿を見て笑う千秋。

「そんなに何度も振ってたら首痛めるよ」

千秋は、ソッと紬の顎を止める。

「それでどうしたの？」

「あの、これからは…」

「柊くん！」

紬が言いかけると後ろから千秋を呼ぶ声で話すのを止める。

「なに？」

千秋は、それはさっきまでとは違って冷たい表情に変わって呼びかけた女子の方を見る。

「今、彼女と一緒にいるんだけど」

「えっ？」

「えっ！？彼女…？」

紬と女子の質問は同時に重なり一瞬止まる。

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