第6話

「紬!好きな人いたの!?どんな人??」


紬の咄嗟の嘘に興奮気味なまつり。

今まで二人の仲で恋バナをしたことがなかったのだ。


「ちょっとまつり、落ち着いて」


「で!どんな人!?」


クラスメイトの名前や他クラスで知っている男子の名前はそんなにパッと思いつかないし、

知人を巻き込むのも嫌だなーっと考える紬。


「他校の人」


また咄嗟に嘘をつく。


「他校ってどこ高の人なの??」


まつりのグイグイは止まらない。


困り果てた紬はさっきの男子を思い出す。


「く、窪高校の人」


「窪高校って…偏差値高いところの?

知り合いいたんだ」


まつりは、へーっと紬の嘘を受け入れていた。


そんなまつりをよそに紬は、何度も頭の中でさっきの男子に謝る。


「何処で出会ったの?」


「駅のホームでお財布を拾って…一目惚れみたいな」


「何それ!漫画チック!!」


まつりがまたもやテンション上がって話してると、莉多も教室に入ってきた。


「何盛りあがってんだよ、俺を置き去りにして」


「紬の恋バナー」


「紬の?」


莉多は、紬の方を見ると自然と紬は目を逸らす。

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